こんにちは、マネートレーナーの寺島です。
今回は、年金に関して。
先日、以下のような記事が出ていました。
→“年金博士”警鐘 支給年齢「68歳引き上げ」が意味すること
ざっくり要約すると、
「年金支給年齢は今後も引き上げられる見通しで、支給額も実質減額になっていきますよー」というもの。
さて、こんなことを聞いてあなたはどう思ったでしょうか?
「不安になった」
「政治家は何をやっているんだ!」
「GPIFは損失を出しているらしいじゃないか!俺たちの年金でギャンブルするな!」
「老後が怖い」
ざっと僕が観測した範囲ではこんな感じでした(笑)
うーん・・・個人的にはこの流れは予想通りであって、だからこそ30代40代の若いうちから自力で資産形成しましょうとお伝えしているのですが、
世間では「降って湧いた不幸」みたいな捉え方だったり、「悪くなっていくことは予想できたけど誰か(政治家とか)が何とかする話で自分は被害者」みたいな立ち位置で意見を言っている人が多く愕然としてしまいます。
Contents
年金はそもそも構造的に現状のまま継続は不可能。
年金については、Twitterでまとめてツイートしたのでそれを以下に貼り付けます。
勘違いしている人が多いと感じるので、年金運用、いわゆるGPIFについて少し書きます。
まず、年金運用自体は別に安倍さんのせいではありません 笑
そして、実は年金制度は当初の想定が大きく変わりすぎて構造的に破綻している状態です。
以下続きます
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
当初の60歳(スタートは55歳)から支給の年金は、高度経済成長期を延長した想定でした
200兆を10%運用年間20兆配当で元本減らない、みたいな想定です。(これは正確でなく適当な数字ですが)また、出生率も現在のような大きな下落は見込んでいませんでした
年金は賦課方式と言って下が上を支えてる状況
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
なので、支える下の世代が減ると厳しくなる。
まず、年金制度の誤算は少子高齢化が想定以上に進み収支バランスが急速に悪化しました。
この設計は歴代や政府、政治家が承認してきたことです
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
そして、年金の原資の運用も高度経済成長時の想定を延長してるので、現在から見れば現実的ではない利回りを見込んでいました。
ゼロ金利が何十年も続く想定になっていません。
つまり、年金原資の収支バランスが破綻し原資の運用も想定以下になっている状況です
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
今回の年金運用損失に対して文句を言っている人がいますが、年金原資は運用しなければもっと厳しいことになってます。元々運用ありき。
今の運用利回りでも全然足りません。収支バランスの改善は少子高齢化解決の糸口が見えない中では難しく、少しでも運用で稼ぐしかないのが現状
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
つまり、今の年金運用状況は構造的な問題であり、出来ることをやっている状況です。
元々収支バランスが悪化しているので、支給年齢引き上げ&マクロスライドによる実質減額は運用損とは別にやらざるを得ない。
むしろ、運用で少しでも増やすことで状況をマイルドに出来ます
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
また、年金資金のような超長期の運用資金は株式運用に適しているとノーベル賞を受賞したセイラー教授も主張しており、それよりも保守的なポートフォリオでやってるGPIFは特に危険な投資(ギャンブル)なんてしていません。
運用をやめるなら年金制度は早晩破綻します。又は、他からの財源投入しかない
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 2, 2019
年金制度について補足
説明してきたように、現状の年金制度は構造的に破綻しています。
その根本は賦課方式にあります。人口が増えている国なら合理的な方式ですが、今の日本には合っていません。
今のまま少子高齢化が進むのならほぼ確実に年金制度は維持できない。それこそ運用で稼ぐしかない https://t.co/k073t50l2C
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 3, 2019
今の若い人は確定拠出年金はした方が良いし、運用は学んだ方がいい。
GPIFに文句言うなら自分でやりましょう。
今払っている年金は基本的に今年金を受け取っている人のためです。しかしながら、じゃあ年金払わない!というのもやめた方が良い。年金は腐って民間のどんな保険よりも有利です
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) February 3, 2019
ということで、根本的に少子高齢化の改善と経済成長を達成していかないと年金制度の安定的な運営は不可能なのです。
つまり、経済停滞&少子化である日本の現状では年金支給年齢引き上げは今後も続きますし、支払う年金保険料は上がり、貰う時の支給額も実質目減りしていきます。
これは今のままの現実を延長するなら、ほぼ確定した未来です。
だからこそ、ご紹介した記事内でも言及されている通り、「副業解禁」や「貯蓄から投資へ」という流れを作り、国民に老後も自力で稼ぐ力を身につけてね、お金の管理能力を身に付けてね、と暗にメッセージを送っているのです。
そうです、もはや国家も企業も私たち個人の老後は保証してくれません。
これは覚悟しておきましょう。嫌と言っても仕方ないお話。
一方で、一旦覚悟さえしてしまえば楽になります。
漠然とした不安の中ずっと過ごすより、「じゃあどうしようか」という方向へ行動する方が健全ですよね。
この記事で書いている予測が外れて、もし国家や企業が老後をある程度保証してくれる流れが今後出来てくるならそれは超絶ラッキーと思いましょう。
二つの投資を今のうちにする
ということで、国も企業も老後を保証してくれない未来に頼れるのは当然ながら自分自身となります。
そして、より具体的に言うなら
- 自分の人的資本
- 自分で築いた金融資本
の二つが今後重要ということです。
若いうちからこの二つを鍛えておきましょう。
自分を助けてくれるのは自分自身なのです。
自分の人的資本
こちらは、「自ら稼ぐ力」のことです。
自力で稼げるならどんな時代でも何とかなりますよね。
ただ、よく資格とか取って手に職と言われますがそれでは弱いと僕は思います。
「資格」は、恐らく今後あまり重要ではなくなっていくでしょう。
「資格」は、将来の安定した収入を保証してくれません。
多くの場合、何かの資格を持っているだけの人は、基本的なビジネスの仕組みやお金の流れも知らず単なる労働力として存在しています。
例えば、美容師さん。
美容室経営者にまでなれば全体のビジネスモデルやお金の流れをちゃんとコントロールしなければいけませんが、一雇われ美容師なら「ただ目の前のお客さんの髪を切ること」を延々とやるだけです。
よっぽどのカリスマ美容師(プレイヤー)としての実力がないとそれ一本でどこへ行っても大丈夫とは言えないでしょう。(職人と呼ばれる人もここのカテゴリー)
ですので、ここで重要な稼ぐ力とは
根本的なビジネス能力と世の中の流れを読む力を指します。
何かを自分で生み出して実際に人から対価を頂く経験を若いうちからしましょう。
現在の世の中の「必要性」「需要」を発見し、それらを解決するサービスや商品を自分で考えて提供する経験を実際にすることです。
サラリーマンのように与えられた業務をこなせばお金が上から降ってくる状況に慣れきってしまうと、自分個人として他人から対価を得るハードルの高さを経験しなくなってしまう(サラリーマンがだめとは言ってませんよ)
長い人生を考えると、サラリーマンでいる期間が延々と続くとは思えません。
いつか、自力で稼ぐ力が必要になる。
そんな時に困らないように準備するのです。
これが、「自力で稼ぐ力=人的資本」です。
自分で築いた金融資本
どうなれば老後安泰なのか?
と問われるなら
僕は、「随時必要なだけのキャッシュフローがある」状態であれば安泰だと答えます
つまり、自力で稼ぐなり、資産運用による配当なり、で生活に困らないレベルの安定したキャッシュフローが生まれている状態を築けているなら安泰と言えます。
ということで、
自力で稼ぐことに関してはさっき説明したので、次は金融資本について。
さて、
ここで、お話する金融資本は”運用”を前提にしています。
よく、資産運用に関して「いつお金を使うんですか?」という質問をもらうんですが、その人たちが考えているイメージは以下のような感じでしょう。
1000万円目の前にあり、それを運用する場合
仮に年利5%で運用すれば一年後1050万円になるけど、自分はいつその1050万円を使えるの?と
せっかく投資でお金が増えても使えないのなら意味がない!と
ここでは、このイメージは完全に捨ててください。
僕がここで説明している金融資本の運用によるキャッシュフローは上記のイメージのままでは実現できません。
僕が伝えたい、金融資本の運用は以下のようなものです。
1000万円目の前にあり、それを運用する場合
仮に年利5%で運用すれば一年後1050万円となります。
そして、この場合使うことが出来るお金はありません。
厳密にいうと、安泰と思えるキャッシュフローを産む金融資本規模になるまで使えないと考えてください。
コップから溢れる水を多くなるまで待つのです。
仮に資産規模が3000万円になったなら、5%の運用で年間150万円が産まれます。元本の3000万円が減らずに150万円毎年使えるなら「安泰」と思えるかも。
このように、コップから溢れる水が少ないうちは使わないでコップの水かさを上げることに専念することになります。
つまり、全額を使うための資産運用というよりは、溢れ出てくる水(お金)を使うために元本を大きくするための資産運用です。
1番の目的はまず資産を大きくすること。
投資を始めるなら若いうちから
投資、資産運用は時間が味方をしてくれます。ぜひ、若いうちから始めましょう。
そして、投資、資産運用を始めると世の中が良く見えてきます。
僕が何度もブログでも言っている通り、投資や金融はこの世界の基本ルールなので当たり前ですね。
投資を学べば、ビジネスの勉強にもなるし、世の中のトレンドやお金の流れも見えるようになります。
つまり、人的資本を鍛えることにもなり一石二鳥。
金融資本を築く過程で人的資本も伸ばせるのです。
前向きな自己責任
そして、これらを鍛えるということは「自己責任を取れる人になる」ということを意味します。
自分で稼げて、お金にも稼がせることが出来る人は、世の中のことが見えている人です。
冒頭で、「将来が不安」と答えている人は世の中が見えていない人でしょう。
暗闇で、足元しか見えないなら歩き続けることは怖いですよね?
しかし、先まで見えるライトを持っていて靴を履き、その先にある障害物への対処法も分かっていれば安全に歩いていくことが出来ます。
もし、少し先の道が崩れていてもそこを通る判断を下した自分はそこで足を滑らせるかもしれないリスクを知っていて歩くことになります。
仮にそこで転んでも誰かのせいにしようとはしませんよね?
分かっていてやっているんですから。
そして、もし足を滑らせてもダメージの予測も出来る。
しかし、もし足元しか見えない人が恐々歩きながら予想外に足を滑らせると大げさに悲鳴を上げ、「なぜこんな所を歩かせるんだ!」と誰かを罵るかもしれません。
今回お話しした、人的資本と金融資本を鍛えることはここでいう「ライト」や「靴」を意味します。
是非、あなたも将来への準備を始めましょう。
「自己責任を取れるかどうか?」は、分かっていてやっているかどうか?が大きな分かれ目になります
大体の罠は見えている罠です。
ただ、大半の人は目を瞑っている。
現在の世界で、その「目を開けること」「ライトを持つこと」はお金の知識を得ることや投資能力を鍛えることを言います。
それでは、また