金融商品におけるコミッションとフィービジネスの違い(証券会社の現状を聞いてきました)

 

こんにちは、マネートレーナーの寺島です。

本日は、コミッションとフィービジネスの違いについて書いていきたいと思います。

保険から有価証券まで、多くの金融商品を販売している人の収益源って何かご存じでしょうか?

ここが今回の話の肝です。

 

Contents

収益源は何か?

 

金融商品販売者の90%以上は、コミッション(契約手数料、またはキックバックに近いもの)で収入を得ています。

これは分かっているようで皆さん理解していないところ。「ん?彼らも仕事なんだから金融商品を販売して生活していることに何か問題あるの?」と考えている人もいるでしょう。

はい、問題ありありなんです。

 

 

金融商品販売業者のコミッション収入は、顧客が儲かるかどうかは一切関係ない

一番の問題点はここ。

有名な話として、2008年のリーマンショックの時、顧客の資産は半分になりましたが、コミッション収入がメインの大手金融機関は大きな増収となりました。普通はコレおかしな話だと思うはず。

 

ご説明しましょう。

まず、金融機関のメイン収入源であるコミッション収入は顧客の取引回数に依存します。つまり、お客様が売ったり買ったりした時点で収入になるものです。

マーケットの暴落があった場合、恐怖心から急いで売る人が急増し、必然的に取引回数は増えますよね?

そうなるとコミッション収入の金融機関は大儲けになるのです。

これ、本質的に顧客の利益とバッティングしやすい(相反する)収益の上げ方です。しかし、現在のところ金融機関はほぼ全てこの方式で売上を上げているのです。

 

このような理由があるので、証券会社の営業マンは「今はこの銘柄が旬ですよ!」とか「これからはこの分野が伸びます!」と次々に投資案件を持ってきて顧客に回転売買を勧めてきます。顧客に売買を繰り返させると金融機関は売り上げが上がりますが、顧客側はその手数料分損をしていく・・・

私は、このことをよく知っているので「絶対に金融機関の営業マンの言いなりで金融商品を買うべきではない!」と主張しています。

投資初心者が投資を始める時に一番最初に頭に浮かぶ相談先が手をこまねて罠を張っている・・・ハードモードですね。

更に言えば、証券や保険など多くの金融商品営業マンは大した金融リテラシーを持っていませんし、自分たちの勧めている金融商品自体も詳しく理解していない場合も多いです。彼らはそもそも投資家なんかではありませんし、お金の専門家でもない。単なる金融商品のセールスマンに過ぎないということを心に刻みましょう。

 

・・すみません、話が逸れました。

このコミッション収入は、本当に金融機関にとって都合の良い収入源で、その理由は以下の2点に集約されます。

  1. 自分達にマイナスのリスクがない
  2. 顧客に成績を約束しなくて良い

 

メジャーリーガーのイチローは過去にこのようなことを言っていました。

「僕は、打率を追わない。ヒット数を追う」

これはつまり、不確定で外部要因も絡む打率を意識するのではなく、日々確実に積み上げられる「ヒット数」を意識するということです。

打率は結果によって上がったり下がったりしますが、ヒット数は一度積み重ねれば下がることはありませんよね?

これを地で行っているのが、コミッション収入を得ている金融機関です。

 

「別に顧客の資産増加を約束しなくてよく、その投資結果がどうなろうが契約時点で約束された売り上げが上がる」という確実な収益源に集中しています。

適当な相場予測をして、マッチポンプの金融商品を売るだけで自分たちはリスクを負わず、リスクは顧客持ち。

顧客には「自己責任」を振りかざし、投資結果が悪くても金融機関はペナルティを払いません。既に自分たちの売り上げは確定しています。

逆に投資結果が悪かった場合、「じゃあ、こちらが今はオススメです。取り返しましょう!」と臆面もなく彼らは営業してくるのです。(笑)

もし、これにも乗ったらまた彼らは契約時点で売上を計上します。その先の結果は知ったことではありません。

 

少し、悪く書きましたが、彼ら金融機関の本音はこれで間違いありません。

重要なのは、”自分達の売上!”顧客の資産運用結果などは関係ない!と考えています。

 

顧客と同じ目線のフィー収入

コミッション収入に対して、顧客と同じ目線で相談に乗れる収入の得方があります。

それが、顧客の資産高に応じての%で手数料を頂く形のフィー収入。

フィー収入の場合は、顧客の資産高に応じて自分の収入額が増えたり減ったりします。つまり、顧客に利益が出れば自分の収入が増えますし、顧客の資産が減れば自分の収入も減る形。リーマンショックの時のような顧客の資産が半分になれば、自分の収入も半分になるということです。

 

もし、金融機関みたいな仕事をするのなら私は、この収入形態がフェアだと思います。真にお客様のことを考えるインセンティブが働きますし、お客様も運命共同体として安心して任せられるはず。

コミッション収入の場合は、「お客様にとって良いか?」より「自分たちの得られるコミッション収入が高いか?」という点に強い重心が置かれています。(これは、営業マン個人の問題ではなく、金融機関の指示であることが多いです。)

実際、元証券マンの知り合いは「会社から指示される金融商品が良くないものと分かっていながらもう勧められない!」と会社を辞めました。このようにきちんとした金融リテラシーと良心がある人は働いていられない職場なのです。逆に、前述の通り顧客が損した時に臆面もなく訪問し次のお勧め株を勧めるくらいの厚顔無恥さと倫理観のなさが金融セールスで好成績を上げる秘訣になります。

 

 

金融機関の現状

 

先日、この記事のトピックに関する興味深い話を聞きました。

それは、某N村証券の人が主催するIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)向けの勉強会での話で、現在の証券業界の今後についての講演だったようです。

そこで、アメリカの証券業界に詳しい某N村証券の研究員の方が、「今後はお客様視点のフィー型ビジネスに転換すべき」という話をしたようです。

しかし、某N村証券の上層部はもちろん、現場のIFAの人達もほとんど理解出来ていなかったとのこと・・・

 

曰く

「何故?わざわざフィー型にしなければいけないの?」

「会社の売り上げが落ちるじゃないか」

「そうするメリットは?」

 

こんな感じ。

以上のように彼らにお客様視点はありません。あるのは自分達の売り上げだけ。

当然ですが、大手金融機関がこれまでのコミッション収入からフィー収入に転換したら大きく売り上げは落ちるでしょう。当然です、不誠実で意味のない回転売買が使えませんし、今のダメダメな金融商品自体を一新しなければいけません。売り上げが上がる時期も長期目線で考えなければいけなくなるでしょう。

しかし、これを聞いて私は、悲しい気持ちになったと同時に、「自分のやっていることにライバルはいない」と強く思いました。

世の金融機関がこれまで通り、顧客抜きのコミッション収入に頼るなら私の敵はいないのです。

 

コミッションビジネス全てが悪いわけではない

 

以上、金融機関の収益モデルについてのお話でした。

「コミッション収入を全く無くせ!」とは私も思わないんです。フィービジネスはビジネスとしてまだまだ成り立つ領域が狭いことも事実なので。

しかし、顧客の資産運用結果に全く責任を持たない姿勢、自分達の利益のみ考えた営業姿勢は結局自分達の首を絞めると思うのです。(ついでに言えばもっと勉強して欲しい。僕も過去に証券営業のセールスを受けましたが、その知識の無さに驚きました。ホント何にも知らずに勧めてきました。)

問題はロクでもない、顧客は損しかしない金融商品を自分達のコミッション収入が高いという理由で売りつける行為です。(そして、その回転売買です)

あなたも金融機関の勧誘にはお気をつけて。自分で見る目を持っていないとリスクがありますよ

 

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