子供への金融教育は必要なのか?

こんにちは、マネートレーナーの寺島です。

今回は、子供への金融教育について少し考えてみたいと思います。

最近、ネットニュースなどを見ていると「学校の授業に金融教育を入れよう!」みたいな声をが上がっていたり、心ある金融関係者達が日本国民全体の金融リテラシーの低さを嘆き、金融教育が必要だ!と訴えているのも目にします。

また、実際に世間では「家計コンサル」や「子供のお買い物体験」みたいな金融教育的なイベントやセミナーなども開催されているようです。

そんな金融教育ネタですが、僕がざっと見ている範囲では特に若年層、子供への金融教育の必要性を訴える例が多いでしょうか。

曰く、「クレジットカードの使い方、キャッシュレス決済の仕組みを理解しよう!」「奨学金を正しく利用しよう」「正しい投資の始め方」「借金の怖さを知ろう」「投資詐欺に引っかからないようにしよう」等々、と若年層へ注意を促す警告的な意味合いが強めな印象です。

また、これまで低金利が長く続いたことや、低成長、少子高齢化社会の状況、未来への漠然とした不安などから、「これからの時代は個人もお金の勉強をしなければいけない」「多少投資も出来るようにならなければいけない」という親世代の意識の変化もあるように感じます。

さて、ここで考えてみましょう。

本当に、学校などで金融教育は必要なのでしょうか?

お金の知識はこれからの時代必要なのか?

もちろん、正しくお金を扱うことは大事なことです。

常識的な金銭感覚も大事でしょう。

しかし、今現在進行形で「お金の価値」はあらゆる意味で減少しています。

元々、経済の基本的な前提はインフレ(通貨価値が減っていく)です。長期間デフレ(通貨価値が上がっている)状態の日本にいるとあまり実感がないかもしれませんが、世界は基本的にインフレしているのです。

つまり、お金の価値は時間とともに減っていくのが、資本主義世界の常識。

一方で、今進行している「お金の価値下落」は上記のインフレとはまた別の現象です。

一例を出せば、昨今クラウドファウンディングなど企画、アイディア、信用の組み合わせで、その人自身がお金を持っていなくても必要な時にいつでも簡単に世界から資金調達することが出来る仕組みが整ってきています。これが進むと将来は、いわゆる貯金みたいな個人の金融資産保有はそこまで需要ではないかもしれない。

この世界で重要なモノは、「お金」などではなく「信用」や「情熱」や「センス」「アイディア」などだと思われます。

つまり、「お金」はそこまで重要ではない世界になっていく可能性があるのです。こちらは、資本主義世界自体の変化の可能性を示唆します。

この世界では、金融知識、金勘定が得意だというスキルはもしかしたら足かせになるかもしれません。

「投資としてみれば割に合わない。」とか「収支が合うか?」とか今の世界の常識的判断は情熱やセンスの邪魔をするかもしれない。

これまでの歴史を見ても、偉業を成し遂げた人はお金のことなんか考えていない人です。必要であれば強引にでもどこかから調達してくるのが彼らの流儀。元々、この世界は情熱のある人信用のある人はファイナンス(資金調達)しやすい世界でしたが、それがより明確になると思います。

金融資産で1億円持っているよりも、熱心なフォロワーが1万人いる人の方が強い世界です。(もう既にそうなっていますよね?一万人熱心なフォロワーがいるのなら1億円のマネタイズなんて簡単でしょう)

子供世代よりも今親の世代に必要だ!

多くの心ある金融関係者達には悪いですが、子供世代への金融教育は正直僕は必要ないと思っています。それどころか、上記のように有害ですらあるかもしれないと思っている。

学校の授業に金融教育なんてものはいらないです。それよりも、画一的で規制的な学習方法ではなく子供達それぞれの可能性を開くための教育カリキュラムを組んでほしいです。

さて、一方で子供の親世代、30代、40代の人達にはそれらの知識は必須だと思っています。

今、金融リテラシーを身につけたり、金融教育を施すべきなのは彼らなのです。

理由は、まだ今は投資知識、金融知識が有効で必須とも言える時代だからであることと、むしろ、今この時代ピンポイントで必要性が高まっていると僕は考えているからです。

僕が今コンサルをしていてもよく感じますが、この世代は本当に不遇をかこっています。自分たちの親世代のように給料が右肩で上がっていくわけでもないし、雇用が保証されているわけでもない。会社で求められる知識やスキルはどんどん変わっていくし、物心ついた時から不況であったり、就職時期が悪く希望の職種、収入、キャリアを獲得できていません。

もちろん、お金の知識や投資の経験なんかも皆無。しかし、彼らはその必要性を感じているように思います。(だから、僕のところに来るんでしょう)

そして、彼らが自分たちが子供を持つようになって改めて金融知識や金融リテラシーの必要性を感じ、子供にも身につけてもらいたいと考えています。自分たちのようにお金で苦労したり、我慢しないために・・・

考えてみてください。30代、40代はまだまだ若い。

これから先の人生は50年近くあるでしょう。

ですので、今から新しいことを学ぶ効能は非常に高く見積もれます。先ほど言及したように今こそお金の知識が必要な時代です。そして、もし子供にも必要だと感じれば自分で学んで教えれば良い。

金銭的に子供世代に迷惑をかけないためにも、今親の世代がお金を上手く扱えるようになっておきましょう。これまた前述のように、多分子供の世代は「お金を稼ぐこと」自体の意味合いが変わっていると思われます。しかし、必要であれば親がお金のことを学び金銭的にサポートできる体制を築けていると色々な点で安心でしょう。

 

 

以上、金融教育や投資教育は子供世代ではなく今親の世代に必須であるという話でした。

ただ、ここで一つ問題があります。

それは、まともに金融教育を行っている機関や場所がほぼ皆無という問題・・・(行っていても内容レベルが低かったり金融商品販売が真の目的だったり)

これは僕自身今草の根的に頑張っていますが、なんとも難しいところ。

現状、金融のことを学んだり投資のことを学ぶには、自学がほとんどの人にとってベストな方法です。または、僕に連絡を下さい。

それでは、また

 

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