こんにちは、マネートレーナーの寺島です。
今回は、無料のFP相談ってどうなの?みたいなお話。
最近、FP資格を積極的にアピールしている協会の努力が実ったのか「FP」を前面に押し出したCM等も地上波で見られるようになってきました。
(昨今のかんぽの問題やその他保険会社の過剰な営業姿勢、証券系のお年寄りをメインに投資詐欺みたいなことを繰り返しているなどなど、金融機関の営業姿勢問題が目立つようになってきて、直接保険屋、証券会社と言うと消費者が警戒し印象が悪いので「FP」と名乗り出しているのかもしれませんが・・・)
おかげさまで、「FP」の一般的な知名度もだいぶ上がってきている印象です。
無料相談てどうなん?
さて、そんなFPに一般消費者が相談を考えた時にまず何をするか?と言えば、「問合せ」でしょう。そして、普通はその次に「無料相談」という流れになるかと思います。
パターンによっては、「問合せ」をすっ飛ばして直接「無料相談」になるパターンもあるでしょう。
では、一般的な「FP無料相談」ではどのような話が出来るのでしょうか?
結論から言えば、何も具体的な話は出来ません。(逆に初回の無料相談で断定的な話が出てきたり、具体的な金融商品の案内をしてくる業者はとても危険です)
具体的な話ができない理由は、初めてあったお客様の情報が全く何もないからです。
答えられることとしては、一般論のみ。
個別具体的な話は個人情報やその人の価値観や金銭感覚、ライフプラン等を確認しないことには何も言えないのです。
例えば、「持ち家が良いのか賃貸が良いのか?」みたいなよく聞くテーマでも、人によって変わるので一般論でも言いにくいところがあります。
一般論で、「現在の日本の不動産は価値が下がる可能性が高いので持ち家は危険」と言われていたりしますが、一方で「都心の駅近物件なら価値は維持されるし、上がる可能性もある。賃貸よりも基本的に購入は設備レベルも高いし、持ち家の方が有利」という人もいます。
これらはそれぞれに僕自身同意していますし、更に突っ込んだ意見も持っていますが、いきなり無料相談で来られた方へどう話すべきか?は悩むところ。
相談者の全体的な知識レベルにもよりますし、勘違いさせてもいけないので慎重に伝えなければならない。
この点、不動産業者なら「持ち家が有利ですよー」と二番目の意見をゴリ押ししていくるでしょう。
顧客視点で話をするのであれば、一般論でも慎重に言わざるを得ないですし、具体的、断定的な話はしづらいことになります。
また、お客様自体が何を聞きたいのか分かっていないパターンもあります。
「何となく不安で全体的なお金の相談ができればいいなーと思ってきました」
みたいな。
そういう場合は、まずお客様が一番気にしている問題を明確にすることや今後問題になってきそうな点に気付いてもらうことなどが無料相談の目的になるでしょうか。
(ただ、この点もいろいろな情報がないと本来具体的な問題点もわかりません。)
他にも「FPという職業は具体的に何が出来るのか?」ということも普通は曖昧ですよね。
この曖昧さは「何となく不安だしお金の専門家に相談したいなー無料だし!」みたいな消費者側の動機にも影響を与えます。
この点に関しては先日ツイートでまとめました。
以下
FPの実態
先日の無料相談に来た方にもお話ししましたが
世の中のFPというモノのイメージは千差万別だなぁとよく思います
普通に「FPです!」とか言われても、一般的にはその人が何をする人なのか?自分にどういう事をしてくれる人なのか?はイマイチ分からない
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
FPの実態2
で、これってFP業界の中に実際いてもぶっちゃけ分かりません。
目の前のFP名乗る人が何出来るのか?何をしてくれるのか?
そこで
「あなたの専門はなんですか?」みたいなお医者さんに対する質問みたいなものが必須になる。
FPってカバーする範囲が広すぎるんです。
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
FPの実態3
そして、目の前のFPに何をしているのか質問すると大体本業が別にあります。例えば
保険屋
証券セールス
金融機関勤務
不動産仲介、売買
等々つまり、本業へのセールストークのためにFP名乗るパターン。
保険屋さんは保険を売るため
証券系は投信等を売るため
不動産は不動産を売るため— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
FPの実態4
9割以上のFPは本業の売上の為にFP資格を取り、FPを名乗っているという実態。
彼らはFPというより実質保険屋さんであり、証券セールスマンであり、不動産屋さんなのです。皆さんがもしFPに相談しようと思った時はこの事を覚えておいて欲しい。
そして、本業なんですか?と聞いてみて欲しい— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
FPの実態5
ということで、FPは「お金の専門家で、公平中立にお客さんの為にアドバイスしてくれる」というイメージは幻想です
実態は真逆
物凄く偏った分析とセールストークを駆使し本業の契約を取りに来るのが大半のFPと言えるでしょう保険屋さんが保険以外の何かアドバイス出来ると思いますか?
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
FPの実態6
ちなみに「独立系」みたいな枕詞がついてる場合も半分以上本物の独立ビジネスはしていませんのでお気をつけて
FP界隈でよく使われている「独立」はただ単に特定の保険会社に属してないとか特定の証券会社に属してない(IFA)というだけで、本業自体は保険屋さんや証券セールスで変わりません
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
FPの実態7
本来「独立系FP」を名乗るのなら、証券だけとか保険だけとか不動産だけではなく、全て横断的に語れる必要があると思います。
それが、一般人がイメージする「お金の専門家」でしょうし、どこにも忖度しないでアドバイス出来る人を一般人は期待していると思いますので
— VL@マネートレーナー (@TakeVl) January 27, 2020
結局、お金周りの悩みや不安に関する相談は、会計的な知識を中心として総合的・横断的な知識がなければ対応できません。そして、それをしっかりと持っているFPは僕の知る限り非常に少数です。ドラクエがわかる人に表現するならメタルキングにいきなり出会うくらいの確率。もしくは、より一般的に言えば万馬券を当てるくらいの確率。
語弊を恐れずに言いますと、テレビやネットの広告でよくみる「FPの無料相談」は、彼らの本業である保険や証券、不動産をスムーズに売るためのエサであり、彼らの本来の目的はいかに無料相談から自分たちの本業の売り上げに繋げるか?が焦点になっています。
ちなみに、ビジネス用語で無料相談のような初見のお客さんが気軽に判断・行動できる商品・サービスをフロントエンドと言い、その後本当に売りたい利益を上げるための商品・サービスをバックエンドと言います。
通常、フロントエンドは収益を産まずメインの目的は集客で、大きく売上げをあげたり、利益を取っていくための商品はバックエンドです。
保険屋さんや証券セールスなどは、無料相談(フロントエンド)だけでは基本的に赤字(人件費等々)なので、必ず保険や投信(バックエンド)を売らなければいけないというインセンティブが働くことは想像に難くないでしょう。普通に考えてボランティアで無料相談だけやるわけがないのです。
お仕事ですし、彼らもお客さんの利益より自分たちのご飯が大事。そのためにはバックエンドを売らなければならない。
通常、「FPの無料相談」はこういう構図になっています。
まとめ
ということで、繰り返しますが普通「FPの無料相談」であなたが有益なことを聞ける可能性は低いでしょう。
その理由は前述の通り
- 個別具体的な情報がないから
- 基本的にFP業者は自分たちのバックエンドを売るためにセールストークを構築しているから
です。
下手したらあなたには本来必要のないバックエンドを売りつけられる危険性すらあります(実際、よく見ます)
と、ここまで読んだ読者の人からは以下のような真っ当な質問が上がりそうですね。
- 誰か専門家に相談したいけど、そんな罠があるなら相談に行けないじゃないか!
- 見分ける方法とかあるの?
はい、一応方法はあります。
その方法とは以下の二点
- 自分でその分野の知識を持つ
- 信頼できる人をひたすら探す(本業の確認はマスト)
です。
1は僕が常々言っていることですね。
自らお金の知識を身につけ、判断・実行できるようになりましょう。
2は、根気のいる作業です。先ほど言いましたように真の独立系FPに出会える確率はメタルキングと出会うくらい低い確率です。ドラクエのレベル上げの気持ちでひたすらエンカウントを繰り返しましょう。
そして、質問力や多少の金融知識も必要だと思います。最低限確認すべきは相手が何で食べている人間なのか?とかです。
以上、FPの無料相談の罠についてでした。
次回、続きでFPの実力みたいな話を書いていこうと思います。
それでは、また