こんにちは、マネートレーナーの寺島です。
今回は、本当の投資とは何か?というお話。
そして、「本当の投資」が出来るのなら皆が儲かるというお話をしようと思います。
では、早速行きましょう。
Contents
プラスサム、ゼロサム、マイナスサム
あなたは、プラスサム、ゼロサム、マイナスサム、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
結論から言いますと、皆が儲けられる「本当の投資」とはプラスサムの領域でやる投資ことです。それ以外のマイナスサム、ゼロサムの領域で行われている投資という行為は勝ち負けが必ず発生し、ギャンブル色が強くなります。
まだよく意味が分からないと思いますので、私がセミナーで使っているスライドを使用して、以下で詳しく説明していきます。
ここで、覚えておいてもらいたいのは「投資はプラスサムの領域でやるべきだ」ということ。それ以外の領域は投機、ギャンブルと呼ばれるものになります。
期待値について
まずこの記事の説明をする前提として重要な「期待値」という概念を簡単に説明します。
例として、10人が100円を持ち寄って勝負し、勝った人が賞金を総取りするというゲームをやるとします。
この時、
- 場所代や手数料などを理由に勝負に参加する者以外の第三者が分け前を一番初めに持って行くルール。この時、総計1000円から例えば300円を引かれて、優勝賞金は700円に減ります。
- 次に、参加者以外の者が何らかの理由を付けてピンハネをしない場合です。この場合は、10人から集めた総計1000円はそのまま優勝賞金となります。
- 最後に、何らかの理由で総計1000円が増えるという仮定をします。このゲームにスポンサーが付いていて優勝賞金に300円追加してくれるとします。そうすると賞金は1300円になります。
さて、これら3つの条件でゲームをした時の参加者の受け取れる可能性のある賞金を考えてみましょう。
まず、混乱しないように確認しておきますが、どの条件でゲームをしても個人の勝ち負けはあります。あくまでもその場に存在するお金の総量の話、頭割した時に受け取れる可能性の話です。
1の場合は、持ち寄った1000円が700円に減っています。これを単純に参加者10人で割ると、一人当たり70円の返しの可能性となります。100円払ったのに、返ってくるときは70円に減っているのです。→「マイナスサム」
2の場合は、持ち寄った1000円はそのまま1000円なので、返ってくる時も個人が払った100円は100円です。→「ゼロサム」
3の場合は、持ち寄った1000円に300円追加されています。これを参加者で割った場合、一人当たり130円となります。初めに投じた100円よりも多くなっています。→「プラスサム」
「サム」とは合計のことで、乱暴に言うとマイナスサムは合計してマイナスになり、ゼロサムは合計して変わらない、プラスサムは合計してプラスになることを指します。
期待値は、(返ってくる金額/投じた金額)で表現され、マイナスサムの場合は1を下回り、ゼロサムの時は期待値1となり、プラスサムの時は1を上回ります。
では、以上を前提に次に行きましょう。
マイナスサム
マイナスサムは、基本的に胴元がいる領域です。ルールを決めて仕切っている存在がいます。そして、その絶対的な存在へ分け前を支払っている領域です。
ここは、明確に”ギャンブル”と呼ばれる領域になります。
さっきの説明の通り、投じた100円が必ず減って返ってくるので、やればやるほど損をしていく・・・
この領域で勝つ者は二人
- ルールメイカー
- ルールの不備を突く者
競馬や競輪、宝くじなど公営ギャンブルは典型的にマイナスサムの取引で、その胴元(ルールメイカー)は国です。パチンコも胴元(ルールメイカー)はお店ですよね?いくらでもルールメイカーはルールを弄れます。
絶対的存在であるルールメイカーは参加者から絞ろうと思えばいくらでも絞れるのですが、それをやると参加者が居なくなるので、程よいバランスが要求されます。「生かさず殺さず」というやつです。
次に、参加者側でルールの不備を突く者がマイナスサムでは勝てる可能性があります。いわゆる裏技とかイカサマが代表的。その他に現代では大量のデータ分析から隠れたルールの不備を突く理系的手法もありえますね。少し前に問題になった競馬のシステムトレードで大金を稼いだ人はこのルールの不備を突く者でした。
しかしながら、一般人がこのマイナスサムの領域で儲けることはかなり厳しいです。ほぼ不可能と言っても良いくらい。一回二回なら勝つ時もありますが、何度もやればやるほど負けて行きます。
ゼロサム
この領域は、純粋な弱肉強食です。
参加者同士の取り合い、潰し合いになります。
ここで勝つには単純に、他の参加者よりも優れていなければいけません。テクニックや高度な知識、運や心理的駆け引きが要求されます。
一般的に、素人がノコノコ出て行って勝てるところではありません。
ゼロサムにおいての基本的な値動きの力学は受給になります。
つまり、欲しい人が多ければ値上がりし、欲しい人が減れば値下がりする。その際の売買での儲けは、他者の損と釣り合います。全体としてプラスマイナスゼロになるのです。
よくトレーダーを揶揄する言葉で、「その儲けの裏には同じだけ損をした人間がいる」と言いますが、これはゼロサムの時のみ成立する言葉です。(「一方の儲け=一方の損」という図式はもっともらしく聞こえてこの世の真理のように思われますが、プラスサムやマイナスサムでは成立しません)
プラスサム
この領域は投資対象自体の価値が増えることが前提になります。
100円が130円になる世界。さらにこの領域では親の総取り的な取引は少なく、複数の勝者がいるような取引になりやすいです。
つまり、やればやるほど長期的には皆が儲けられる場所。
私は、投資とは本来この領域に資金を投じることだと考えていて、実際私がプラスサムだと考えられる場所に投資をしています。
この領域の代表的なものは、企業への株式投資、人への教育投資などでしょうか。
企業は毎年利益を稼ぎます。株式は長期的にはその企業の利益に沿って成長するので、企業業績が良ければ株価も上がるのです。
また、人への教育はその人の能力を上げる可能性が高いですよね?もちろん、人の能力は金銭で測る類のものではないですが、データとして高度な教育を受けた人間ほど生涯年収が高くなっています。
ポイントは、企業も人も投資対象自体の価値が上がるということ。
マイナスサムやゼロサムの世界ではここが大きく違います。プラスサム以外の世界では投資対象の話は特に出てきません。問題はルールの不備か受給の話でした。
プラスサムで勝つために。
プラスサムの領域で投資をするには、
- 対象を精査する必要がある。
- そのための勉強が必要。
- 投資対象への理解がポイント。
一見難しそうですが、ゼロサムの弱肉強食で勝つには本当の上位数%に入らなければいけない狭き門ですし、マイナスサムのある意味反則的なやり方を自力で構築しなければいけない場合と比べると、大したことはありません。
実際、私の顧客の例でも多くの人に可能な方法ですし、心理的負担もほとんどないと確認しています。
この記事を読んだ人は、まず「マイナスサム」「ゼロサム」「プラスサム」の違いを理解し、極力マイナスサム、ゼロサムの世界には近づかないことを意識してください。投資をして儲ける以前に、バカな損をしないこと、隠れた罠に気づくことがとても大事ですので。
では、最後に公営ギャンブルのえげつなさをお見せして終わりにします。宝くじなんてほぼ半分ピンハネされている割の悪いギャンブルなんですよ