こんにちは、マネートレーナーの寺島です。

今回は、人的資本分野の話。

この記事では、先日あるカメラマン(Aさん)と話をしてそこで得た気づきというか、当たり前の確認を書いていこうと思います。

多分、僕だけではないと思うのですが、ある専門家へ仕事を依頼する時、その人が具体的に何をしてくれて、どこまで仕事をしてくれるのか?が分からないという不安があると思います。

例えば、プロにお願いしてHPを作ろうと思った時にHP 制作の会社をネットで調べるのが一般的ですよね?

そして、ある制作会社に行き着いたとしましょう。しかし、そこには綺麗なデザインのHP例があるばかり・・・

文言も「SEO対策が・・・」とか「あなたの商品を買いたい人を惹きつけるデザインで・・・」とかふんわりそれっぽいことが書かれていますが、具体的にどういうモノになるのかがイマイチわかりません。

こういう場合、よくあるのは依頼してもある種のテンプレに嵌め込んで見た目だけ綺麗にしたアウトプット(作品)が出てくるだけというパターン。

そこには別に依頼者の本来の目的やイメージ、期待すること、本当の欲求などは勘案されていません。また、そのHPが果たすべき役割がデザインとして落とし込まれてもいないでしょう。可もなく不可も無いとりあえずそれっぽく綺麗にまとまっているだけのモノを渡されるだけ・・・

そんなモノをあなたは本当に欲しいでしょうか?

 

短期視点と継続的視点

 

お話ししたAさんは以下のように言っていました。

世のカメラマンは

  • お客さんとコミュニケーションが出来てないカメラマンが多すぎる
  • 何を切り取るべきか?の吟味がなさすぎる
  • ビジネスを考えて無さすぎる

と。

その依頼者が本当は何を撮って欲しいのか?何を表現したいのか?何を目的とした写真を撮って欲しいのか?がカメラマンと依頼者との深いコミュニケーションの末辿り着いてないことに、彼は問題意識を持っていました。

確かに、僕も何度かカメラマンに依頼して写真を撮ってもらったことがありますが、渡された作品がなんかイマイチだなぁと思った経験があります。

今思うと、そこにはやはりコミュニケーション不足がありました。事前打ち合わせもそこそこに、カメラマン側はとにかく「カッコよく撮れれば良いんでしょ」と思っていたと思います。僕がその写真をどういう場面で使いどういう効果を狙っているか?の考慮がないのです。そして、言い過ぎかもしれませんが、多分そのカメラマンは”その時だけ”の関係と考えていました。

「今、自分なりのイケてる作品を撮れば良い。それが仕事だ」と、そのカメラマンは思っていたと思います。

つまり、視点が自分視点なんですね。

そして、短期的な関係性しか考慮していない。

Aさんは、続けてこう言っていました。

「再度依頼されるような関係作りが出来ていないということは、ビジネスを考えていないということだ。」と

おっしゃる通り。

ビジネスは”継続”がキーワードなのです。

これを僕なりに言い換えると、「お客様の文脈に寄り添っているか?」という問いかけになります。

 

FPの仕事の話

FP(ファイナンシャルプランナー)の仕事でもこれは顕著です。

現状、世の中で行われているFPの仕事は基本金融商品の一発売りです。(多分、多くのFPは否定すると思いますが)

語弊を恐れずに言えば、世のFPの仕事はお客さんをあるテンプレに当てはめてそれに沿ったストーリーを話して、不安や期待を煽り、FP側が事前に用意した金融商品を売り込むことになっています。

例えば、

  • 子供が生まれた人→生命保険・学資保険
  • 老後資金不安→生命保険・年金保険・外貨建て保険

みたいな。

これは基本的にFP側のビジネスの都合です。お客さんの文脈に沿ってはいない。沿っているかのように勘違いさせているだけ。

売るものが決まっていて、今目の前の売上を目的にすれば必然的にそうなります。

一方で、僕は金融商品を自ら売っていません。

その立場から言わせて貰えば、別に金融商品を今すぐ買うべき理由のない人も世の中にはいるのです。それよりも、長い目で見れば自分で必要な金融商品を判断できるようになった方が良いと僕は考えています。

 

ソリューションっぽいものを与えるだけのビジネスはもう古い

ソリューションビジネス、つまり何か解決策を提供するだけのビジネスはもう古いと僕は思っています。

本当の意味のソリューションビジネスは別ですが、世の中のソリューションビジネスの大半はっぽいだけでその実、何か既存のパッケージを売ることに終始していて別に相手の解決策にもなっていないという現実があります。

前述のHPの例で言うと、僕がHPに期待することは僕のビジネス上の意図がきちんとお客さんに伝わることです。別に見た目がキレイなだけのHPが欲しいわけではありませんでした。

写真の例でも、別にカメラマンの作品を撮って欲しいわけではありません。こちらが意図する用途に合った写真を撮って欲しい。そして、願わくばこちらの意図の文脈上でこちらの期待を超える写真を撮って欲しい。

このためにはお客様と継続的な関係を作る視点と深いコミュニケーションが必須だと僕は思います。

  • 相手は何を期待しているのか?を理解する
  • その相手の期待する文脈上で期待を超えるソリューションを提供する

これが満たされたものが本当の意味でのソリューションビジネスです。

 

「相手の文脈上で期待を超えること」がポイント。

そして、相手の”文脈”なのでそれは必然的に継続性を持ちます。

文脈に沿って期待を超えれば、次もこの人に頼もうと思うのが人情でしょう。必要なものが変わってもこの人に頼めば自分に合ったものが出てくると思われます。

ここまで説明すれば、一方的にソリューションっぽいモノを自分たちの都合で押しつけることはビジネスとして間違っていることがご理解頂けれると思います。

消費者としては、目の前の分かりやすいパッケージを売るだけのビジネスをしている人に注意しましょう。それは多分に売り手の都合が優先されています。

今のような時代こそ、人間的なコミュニケーションが大事な時代です。

ビジネスを行う側の人は、基本のキである顧客の理解を徹底することを意識しましょう。

消費者側も、この意識でコミュニケーションを取ってくれる人に仕事をお願いしましょう。

WIN-WINとよく言いますが、そこにコミュニケーションがなければWIN-WINなどあり得ないのです。

それでは、また

 

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