こんにちは、マネートレーナーの寺島です。
今回は、金融資本分野のお話。
あなたは投資を始めようと考えた時や、投資の相談をしようと思った時はどこに聞きに行こうと考えるでしょうか?
今、僕の目の前にあるPCで「投資」「投資信託」「資産運用」というキーワードで検索すると、上位には証券会社のサイトが出てきます。そして、そのすぐ下くらいにはFPやIFA(独立系証券仲介)のサイトが上がってきています。
この結果からも分かるように、今の日本で投資の相談をしようと考えた時にまず選択肢に上がるのは金融機関かFP、IFAあたりになると言えるでしょう。昨今、資産運用相談全体のニーズ自体が年々上がってきているように感じます
事実、最近はFPの社会的認知度も上がっているせいかFP(ファイナンシャルプランナー)への資産運用相談の件数も増えてきているようです。
僕の知っている範囲でもそのような声がチラホラ。
しかしながら、その一方でFP側の悩みとして聞こえてくる声は、「投資・資産運用のアドバイスをどうやれば良いか分からない」という声です。
聞き間違いじゃないですよ。
もう一度言います、世のFP達は、「投資・資産運用の相談が来たら困る」と言っているのです。
だって、自分でやったこともないしよく分からないんだもの みつお
まともな投資経験を持つFPは皆無
はい、結論から先に言いましょうか、世のFP達の中でまともな投資経験を持っている人はほとんどいません。語弊を恐れずに言えば、FPと言えどこと投資・資産運用という領域では一般人と同じレベルなのです。(大半のIFAも同じ)
これは少し考えれば当たり前のお話です。
私達日本人は同じ公教育を受けてきています。そこで金融の話や投資の勉強をしてきたでしょうか?
してないですよね?
ここまでは一般人だろうがFPだろうが同じです。
では、もし投資の知識や経験に差が出るとしたらその後、つまりFP資格を取る過程で金融や投資の勉強をして一般人よりも詳しくなったり、投資の経験を積むことが考えられますが、これはどうでしょうか?
実は、FP資格を取る過程で学ぶことの中で、投資の実践的な知識はほぼ皆無です。勿論、実際に投資経験を積む過程もありません。これは一番上位のFP資格取得の過程でも同様です。
つまり、まともな投資の経験値というものは、その人自身が個人的に投資に興味を持ち、自主的に学び、自分で投資経験を積んでいくことをしない限り持ち得ないのです。
これを読んでいるあなたも、もしFPやIFAが投資に詳しい人と思いこんでいたのなら、そもそも論としてFPであるかどうか?なんて投資の知識や経験には何の関係もないというふうに認識を上書きしておいて下さい。
ですので、多くのFPは、投資・資産運用相談のお客様が来られると困るわけです。
もちろん、仕事柄一般的な運用理論はお勉強しているので何となく話すことは出来ますが、ちょっと突っ込まれるともうダメ。
他に彼らが言えることと言えば、資産運用と称して保険を売り込むくらいが関の山でしょう。
投資信託の種類とか、相場予測とかなんてどうでも良い
少し資産運用相談を受けるFP側の視点から話を進めましょう。
彼らは、僕にもよく投資・資産運用の相談をどうやれば良いかを聞いてきます。
そして、そこに続く言葉は「投信の種類も多くてよく分からないし、相場の読み方、状況もよく分からない。そもそも私自身が投資をしたことがなくて・・・」というモノ。
世のFP達は、投資相談を受けるのなら投資信託の種類に詳しくなければいけないと思っているようです。そして、相場も読めなければいけないと思っているし、リスク・リターンに基づいた運用ポートフォリオを組み立てなければいけないとも思っています。
はい、あえて言い切りましょうか。
投資・資産運用の相談を受ける上で、それら全てどうでも良いです!
そんなモノに詳しくなっても投資アドバイスをする上では全く意味を持ちません。
投資信託の種類、証券会社ごとの特徴、メリット・デメリットなんて投資を行う上では死ぬほどどうでも良い話。
実際、お客様にそんなことを聞かれても投資の原理原則を語れれば全く問題ありません。個別の投資商品に詳しい必要もないし、どこの証券会社が良いか?なんてことも知る必要はないです。
事実、私は今売られている投資信託に全然詳しくはないです。しかし、恐らく誰よりも的確に投資相談に乗れる自身があります。
それが出来るのは僕が投資の原理原則を押さえているから。
物凄く簡潔に言うと、投資信託で押さえておくべきポイントは、まず効率的市場仮説の理解とその文脈で投信自体は分散パッケージであることの理解(リスク分散の理屈)。そして、パッシブかアクティブか?の分類。最後に、どのアセットクラスに属するか?の確認(株式や債権、不動産などの資産の種類)基本はこの3つだけです。後の手数料やリスク・リターンは個別に目論見書で見るお話。しかし、そもそも相談者のことを知らなければ後半は判断がつきません。
このように言って、「ああ、確かに。投資信託の種類や相談者の保有している投信全てを知っている必要なんてないな」とすぐにピンと来る人は恐らくある程度の投資・資産運用の経験がある人でしょう。
相場予測についても同様です。というか、相場予測、マクロ経済について何か語れなければ投資・資産運用のアドバイスが出来ないというのは大いなる勘違いです。
相談者がそういうものを望んでいることは承知していますが、そもそも相場予測など誰にも出来ないということを前提に資産運用を語れないといけないのです。
証券会社のコメントやテレビの経済番組を見れば分かると思いますが、彼らが語る相場予測など占いと変わらない希望的観測に過ぎず、その占いを根拠に投資をするはとても危険と言えます。
リスク・リターンについても、大体まともなリスク・リターンに基づいた運用なんて通常は不可能です。切り取る期間でも変わりますし、顧客の想定運用期間、気質でも変わる。初見の投資・運用相談でそんなところまで突っ込んでくる人はいません。そもそもその知識を持っていて出来る人は自力でやっていますし、FPに相談にも来ません。そして、大半の自力運用が出来ない相談者の場合はリバランスも自力では出来ず、リスク・リターンを仮で出したところでそもそもその人に合っているのか?は実践するまで分かりません。(長くなるので割愛しますが、いわゆるリスク許容度というものが当てにならないという理由もあります)
まとめ
今回は、投資アドバイスをまともに出来るFP(ファイナンシャルプランナー)は世の中にほとんどいないというお話でした。
ちゃんとした投資アドバイスが出来るなと感じるFPは、僕の実感値では1割もいません。
その1割の中でもいわゆるインデックス投資関連にのみ特化して語れる人がその8割くらいで、もっと深い個別株投資についてもきちんと語れる人はそのうちの2割くらい。(効率的市場仮説自体も何段階かのグラデーションがありますがFPの中ではそこまで考慮しない人が多い)
つまり、本当の意味で運用アドバイスを縦横無尽に出来るFPは全体の2〜3%くらいかな?というのが実態と言えます。
あなたも、なんちゃって投資・資産運用アドバイスにはお気をつけ下さい。
それっぽいだけで特に意味のない運用アドバイスをする人はまだマシですが、中には自分たちの売りたい金融商品を売る為に営業トークを構築している場合もあります。
特定の金融商品を勧めてくる場合は、お気をつけ下さい。
自力で資産運用判断ができるようになりたい方は、記事下の無料e-bookをダウンロードして読んでみると良いでしょう。
それでは、また