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こんにちは、マネートレーナーの寺島です。
今回は、お金に縛られた人の心理について。
「いつもお金の心配をしている人」
「沢山のお金を持っていても常にもっと稼がなければ!」
と思っている人、どちらもお金に縛られている人。
ある研究によると「お金に縛られている人」はメンタルメルスに問題を抱えがちとも言われています。
参考
「収入と暮らしに関する将来予測と幸福度・メンタルヘルスの関係: 消費者態度指数の質問を使った検証」→https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/16j052.pdf
(こちらの研究は、収入や暮らし向きなど自身の将来についてネガティブな人の幸福度が低いと思われると言っています。)
実感としても、いつも「お金がないお金がない」言っている人は余裕がなく幸福度が高いとは言えないことが多いように思います。
お金が無いことで色々我慢していることも多いでしょうし、メンタルの問題を抱えていることも多いです。
僕がこれまで相談に乗ってきた人の中にも、客観的にそこまでお金に困っていないように見える人でも将来を過剰に心配し、ひたすら貯蓄に励んでいる人がいました。
「仕事は辛いけど、将来が不安で辞められない」
「別の選択肢も考えたいけど、今より収入が落ちるのが怖い」
と、その人自身もあまり幸福であるようには見えませんでした。
このように、意識的にせよ無意識的にせよお金に縛られている人は世の中には思いの外多いことでしょう。
お金の多寡とは関係無い
興味深いことに、この「お金に縛れている」人は実際に持っているお金や稼いでいるお金の多寡とはあまり関係ないことがあります。
もちろん、一定以上の収入があったり資産があったりする人の方が「お金に縛られる」ことが少ないことは間違いありません。(これも研究があります。所得の多寡は一定までは幸福度に関連があるけど、一定以上は変らないようです。)
しかしながら、お金を沢山持っていても
- 「もっと稼がなければ!」
- 「もっと贅沢な暮らしを!」
- 「今よりも収入が減ることが嫌!」
とひたすらお金に縛られている人もいます。
お金の呪いですね。
実際、このどちらのパターンもメンタルヘルス的には大差ありません。
どちらの人も、いつもお金を意識していてもっとお金が欲しい!と思っている。
そして、彼らはお金を失うことに過剰な拒否感を覚えていて将来については基本的にネガティブです。
思考の全てに「お金」が入り込み、そのせいでお金に縛られている。
お金の縛りから脱する意味
「あなたは、何のために生きていますか?」
「自分はお金に縛れている」と感じる人は、この問いかけを自分にしてみましょう。
「あなたにとってお金はどんな意味を持っていますか?」
次にこのような問いかけもしてみましょう。
普通、人間は皆「幸福」になるために生きているはずです。
決してお金のためには生きていない。
何を「幸福」とするか?は人それぞれですが、本質的に「幸福」とお金の間に直接的な関係性はありません。
何のためにお金が欲しいのか?を今一度考えてもらいたいと思います。
お金は私たちに選択肢を与えてくれるものです。
今の資本主義の世界では可能性を広げてくれるとも言える。
この意味で、一定程度の「お金」を持つことは私たちの幸福度を上げるでしょう。
しかし、それ以上の意味はないのです。
そして、「お金に縛れている」限りその人は幸福にはなれないでしょう。
コントロールしている感覚
実際のところ、お金が無い場合は選択肢が限られて困りますし、沢山あっても扱いに困ります。
そして、多くの人は将来を見通せないから不安になり御守り代わりに過剰なお金を貯めこむ。
これはつまり、今後自分はどれだけのお金があれば十分なのか?の見通しが立っておらず、必要な時に必要なだけお金を保有、または調達できるか?が見通せていないということ。
生物は進化上以下のような本能を持っています。
- 存在するかどうか分からないから怖がる
- よく知らないから安全策を取りたくなる。
先の茂みに猛獣がいるかも知れない中、食料を調達には行けません。
いるかいないか分からないのであれば、安全策を取るのが本能。
つまり、僕たち人間は、”分からない”、”見えない”、”よく知らない”ことに対して過剰に恐怖感を持っているのです。
「お金」に対しても同じ
一般的には、「お金」のことをよく知らないのが普通です。
人によっては「お金=力」だと言う人もいますし、他の人は「お金は怖い」と言います。
得体の知れないものがお金。
投資に関しても同じです。
よく分かっていない人ほど、イメージで「投資」を語っており勝手に恐怖を感じている。
だから、僕は「お金のことを知りましょう」と言いたいと思います。
- お金とは何なのか?
- 世の中のお金の流れはどうなっている?
- 自分の人生にどれほど必要なのか?
- 必要な時に自由に調達できるか?
- お金を増やすことはできるのか?
- 等々
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
と昔の偉い人も言いました。
その通りだと思います。
自分の人生の目的「幸福」の条件を知り、自分自身を知り、「お金」を知れば恐怖は大きく軽減します。
そうして初めて等身大の「お金」と対峙できるのです。
お金を等身大で捉えられれば、コントロールが可能。
事実、僕のコンサルを受けた人は皆この心境になります。
そして、過剰にお金を怖がらず、将来を心配しないで、自分の人生を生きるようになる。
人によっては、特別金銭的な状況は変わっていないのに全く別の心境になっているのです。
「お金はなんとかなるだろう、そして決まっていない将来を心配してもしょうがない、とにかく今を頑張って生きよう」と思えれば多くの人の人生は前向きに変わります。
以上、
「ファイナンシャル相談は心理カウンセリングに似ている」と言う話でした。
お金について無駄な心配をしたり、一発大金を当てようとしたりするのは人生の無駄です。
自分もお金も等身大で捉えることが大事。
それでは、また