高齢者への保険勧誘自粛は当たり前

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こんにちは、マネートレーナーの寺島です。

今回は、「保険」についての豆知識。

今日、以下のような記事がネットに流れました。

「日本郵便、保険勧誘80歳以上自粛へ 新規客対象 苦情受け4月から」

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/496811/

 

記事内容を要約すると、「郵便局で保険内容を理解しないまま高齢者が保険の契約をさせられていると苦情が多いので、80歳以上の高齢者に対する保険の勧誘を自粛する」ということです。

・・・・当たり前でしょ。というのが僕の正直な感想(笑)

さて、この保険勧誘について少し詳しく解説していきましょう。

 

郵便局の窓口は保険のことなんか何も知らない

はい、まずこのニュースの舞台である郵便局ですが、以前「クローズアップ現代」でも取り上げられていました

郵便局が保険を”押し売り”?〜郵便局員たちの告白〜

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4121/

 

あまり馴染みのない人は、郵便局で「保険」?「投信」?と違和感があるかもしれませんが、2005年頃から銀行や郵便局を始めとした金融機関で、それら金融商品の販売が解禁されました。

これは、いわゆる手数料を稼ぐビジネスです。

一件の契約ごとにいくらの手数料という売上の上げ方で一件ごとの契約金額が大きいほど、契約件数が多いほど売上が上がります。

そして、ゼロ金利の状況の中、金融機関は中々金利を稼げないので、この手数料ビジネスに重きを置いてきました。

その結果、行員や局員は保険や投信の中身もよく分からないまま上から通達される”ノルマ”をクリアするために一般顧客をガンガン勧誘をしたのです。

そして、今時銀行や郵便局の窓口を利用するのは高齢者・・・

必然的に彼らがメインターゲットとなりました。

そうです、これは起こるべくして起こったお話。

元々、ずっっっっっっと問題だったお話。

やっと表に出てきたかと個人的には思いました。

 

保険はいざという時に必要な「収入保障」のため

次に、勘違いしている人が多い「保険を契約する意味」について。

今回のニュースでは80歳以上の高齢者と限定していましたが、僕が見る限り無駄な保険勧誘に引っかかるのは高齢者だけに限りません。

例えば、30代の人でも

  • 「独身なのに3000万円の生命保険加入」
  • 「生まれたばかりの子供に生命保険」
  • 「医療保険3本以上加入」
  • 等々

このように無駄な保険に入っている人は世代を問わず多いです。

 

この理由は、端的に彼ら彼女らが「保険に入る理由」をよく分かっていないのだと僕は思います。

保険は

  1. 保険は、いざという時に必要になる貯蓄で対応出来ないお金を都合するためのものです。
  2. 保険は、収入がある人にかけるものです。

この二つが保険に入る際、最低限意識しなければいけない視点です。

 

1 保険は、いざという時に必要になる貯蓄で対応出来ないお金を都合するためのもの

まず、保険の必要性のお話。

独身の人が亡くなった時のように、いざという時(保険事故ともいう)に必要になるお金がなければ保険に入る必要はありません。

僕が相談を受けた人の中に、独身の40代の人が2000万円の保険をかけていてその受取人が80代の母親でした。

この場合、40代の保険契約者が亡くなった場合80代の母親に2000万円入ります。

80代のおばあちゃんに今更2000万円が必要でしょうか?

この人は、僕に相談に来た後その保険を解約しました。

 

また、病気になり入院した場合、入院日数によって一万円/日という医療保険に入っている人が多いですが、現在病院は経営効率化の観点から入院日数を短期化して来ています。

通常、長くても二週間くらい。

短い場合は2、3日とかもザラ。

保険に入っていても2、3万円プラス手術一時金5万円とかです。

今は、手術を伴うそれなりの病気や怪我にかかっても被害額はせいぜい総額10万円〜50万円ほど。

そのレベルの被害額なら保険にわざわざ入る必要は合理的にはありません。(病気や怪我になった時に数万円のお小遣いを稼ぐためというのが、現在の医療保険の意味に過ぎません。一方で、その対価として月々保険料を確実に取られています。トータルすれば医療保険は損する金融商品です)

この程度なら貯蓄で十分対応可能ですし、その貯蓄は病気の時だけではなく教育費等々いざとなれば他の使い方も出来ます(これを会計的には流動性が高いと言います。保険は流動性が低くこの点でも不利)

 

2 保険は、収入がある人にかけるもの

次に、保険は収入がある人にかけるものです。

逆を言えば、収入がない人に保険をかける合理性は通常ありません。

この点で言えば、生まれたばかりの子供に生命保険は必要ないのです。

保険契約をする時は、感情とは切り離して契約しましょう。

「子供のため」という意味不明な理由で子供に生命保険をかける意味は全くありません。

なぜなら、その生命保険は子供を救いませんので。(ちなみに、医療保険関係も通常は子供には必要ないです。公的な保障でほぼカバーされています)

 

まとめ

以上、

1の理由からも2の理由からも80歳以上の高齢者に保険は必要ありません。

郵便局員がこれらを理解してあえて勧誘しているなら、非常に悪質。

理解していないのなら無知のなせるわざで、これも酷い話。

 

ちなみに、郵便局員と話をして金融リテラシー皆無な印象を持っているので

個人的には後者の要素が強いと思っています。

高齢者以外でも、1の理由と2の理由が揃っていないのであれば保険に入る合理的な理由はありません。

これを読んでいる人も無駄な保険は入らないよう注意しましょう。

保険は結果的に非常に高い買い物になります。

 

それでは、また

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